本日は、「神奈川県私立中学校野球大会」の予選トーナメントが行われました。 この大会は、その名の通り神奈川県内の私立中学校(加盟26校、今大会出場22校)で優勝を争うもので、3年生も出場できる大会です。 予選はA~Fの6ブロックに分かれて、3校ブロックは総当たり戦、4校ブロックはトーナメントにて一日で実施され、各ブロックから代表1校(合計6校)のみが準決勝リーグへと進むことができます。 先日行われた抽選会で横浜隼人は「F」ブロック(聖光学院グランド)に入り、「聖光学院」「桐蔭学園」「自修館」と代表1校を争うことになりました。 その予選トーナメント1回戦は「自修館中学」との対戦でした。 ジャンケンに勝って後攻を選んだ横浜隼人は1回表、四球と内野のエラーで、いきなり1死1・3塁のピンチを迎えますが、後続を断ち無失点で切り抜けます。 その裏の攻撃、2つの四球と2つのエラーで1点を先制し、さらに川本選手(3年女子部員レギュラー副キャプテン)がスクイズを決め、さらに掛川選手(2年)のタイムリー等で4点を先制します。 3回にも八幡木選手(3年)の2ベースなど、5本のヒットに相手のミスも重なり6点を追加すると、さらに4回にも1点を加え11-0とし、5回コールドで快勝。 終わってみれば相手に1本のヒットも許さず、掛川投手のノーヒットノーランでした。 そして続けて行われたFブロック決勝戦の相手は、神奈川県の中学野球を長年牽引してきた”名門中の名門”「桐蔭学園中学」でした。 この試合は熾烈なシーソーゲームとなり、最後には劇的なドラマが待っていました…。 2試合続けてジャンケンに勝った横浜隼人は後攻を選びます。(隼人のキャプテンは最近、やたらとジャンケンが強いんです。) 1回表、2回表と1点ずつを奪われて2点を追う横浜隼人は2回裏、1死1塁から大島選手のライト前ヒットで1死1・3塁のチャンスを作り、濱田選手(3年)の見事なスクイズと、相手の守備の乱れから2-2の同点とすると、1死3塁からは、飯塚選手(3年)の内野ゴロの間に1点を勝ち越し、3-2と逆転に成功します。 さらに3回裏には、キャプテン宮地選手(3年)のヒットなどで無死2・3塁とすると、相手バッテリーのミスと、八幡木選手の犠牲フライで2点を追加し、5-2と試合を優位に進めます。 4回表には桐蔭学園の巧みな攻撃で2点を奪われ5-4の1点差に迫られますが、5回裏の攻撃では石川(晴)選手(2年)のヒットなどで1死2・3塁のチャンスを作り、ここでも八幡木選手の2点タイムリーが飛び出し、7-4とします。 区大会と同様に「90分制」がある私学大会、6回の守備につく前に「最終回」であることが告げられました。 3点リードで最終回の守備…「勝てるかもしれない…」誰もがそう思ってしまうところですが、さすがの”名門”桐蔭学園は、そう簡単には終わりませんでした…。 1死から2人の走者を背負い、2番打者に低めのストレートを完璧に捉えられると、その打球はライトのフェンスを越えて3ランホームランとなり、勝利を目前にして「まさかの同点」となります。 後続を断つも、その裏を無得点で終えると、大会規定(90分を過ぎて同点で新しいイニングに入る場合は特別ルールとする)により、7回の攻防は無死満塁のタイブレークとなりました。 その7回表、桐蔭学園にタイムリー、押し出し、内野ゴロであっけなく3点を奪われて7-10とされてしまいます。 チーム全体が嫌なムードになりかけましたが7回裏、今日の横浜隼人は気合いが違いました… 先頭の正田選手(3年)が粘って粘っての見事な押し出し四球で1点を返すと、続く宮地選手が小フライを打ち上げ「インフィールドフライ」と宣告されますが、この打球が投手のグラブを弾き、ボールが転がる間に1点が入り、9-10の1点差となります。 続く川本選手は、低めのボールを上手く捉えるものの、予めかなり前寄りに守っていた桐蔭学園レフトのグラブに収まり、2死2・3塁。 後が無い横浜隼人がここで迎えたのは、本日何かと得点に絡んでいる八幡木選手。 フルカウントから打ち取られた打球が三塁へ転がります… 「万事休す」かと思われましたが、彼がチーム最速の快足を飛ばすと、これが起死回生の内野安打となり、10-10の同点となります。 押せ押せムード全開の横浜隼人…2死1・3塁で打席に立つのは、この試合途中出場ながら、夏の総体では4番を務めた秋山選手(2年)。 ベンチや保護者など関係者全員の期待を背負い、高めのストレートを振りぬいた会心の打球はライト前へ… ワンバウンドで捕球した相手ライトは、打者走者のアウトを狙って1塁へ投げます… 全力疾走の秋山選手… かなり際どいタイミング…(セーフならサヨナラ勝ち、アウトなら大会規定により「クジ引き」での決着…) 「どっちだ!?」 …1塁審判の両手が大きく水平に広がり、この瞬間に横浜隼人のサヨナラ勝ちが決まりました。 正直なところ管理人は、桐蔭学園と同じブロックになった時点で、予選突破はかなり厳しいものになると思っていました。 しかし、子どもたちが一丸となり結束した時、その力は、大人のモノサシでは測れないほどに強大で素晴らしいものとなりました。 出場した選手やベンチ入り選手だけでなく、ベンチに入れなかった1年生部員たちも今日はベンチの横で必死で声を出し続けており、まさにチーム全員で勝ち取った2連勝でした。 選手の皆さん、本日は本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました。管理人が今まで見てきた中でも一番の”ナイスゲーム”でした。 私学大会は今月23日(水)に準決勝リーグが行われます。 A~Cブロックの代表校と、D~Fブロックの代表校に分かれて総当たり戦を行い、翌24日(木)には神奈川の野球の聖地「サーティーフォー保土ヶ谷球場」にて「決勝戦」を含む「順位決定戦」が行われます。 その前に14日~16日には「KB笹尾晃平杯」も実施されますので、ここで満足することなく、今日の勢いをそのままに、快進撃を続けていってほしいと思います。 本日も保護者の方々がたくさんの素敵な写真を撮ってくださいましたので、掲載します。
試合前には南﨑教頭先生が
ご多用のところ激励に来てくださいました
自修館戦で5回ノーヒットピッチングの
2年生掛川投手
スクイズを決める川本選手
桐蔭学園戦で先発した
3年生エース小島投手
5回に追加点のホームを踏む石川選手
ピンチでタイムを取り
集まる内野手と佐野監督
大島選手の決死のタッグプレー
2ベースヒットを放つ宮地キャプテン
ヒットを放つ飯塚選手
ピンチを抑え笑顔の小島投手と
迎えるベンチ
桐蔭学園戦でリリーフし
サヨナラヒットを打った秋山選手
2試合で5打点2得点の活躍をした
俊足の八幡木選手
サヨナラ勝ちを決めて
ベンチを飛び出し喜ぶ選手たち
激闘を終えクールダウンをする様子
試合後のミーティングの様子
※本日の試合の写真は「フォトギャラリ―」にも掲載していますので、是非そちらもご覧ください。